八代本町アーケード街の昔と今 そして未来

江戸時代、城下町として栄え、戦後は企業城下町として発展した
八代の商店街の昔と今を写真で紹介

安土桃山時代に今の麦島地区に麦島城が築かれる。
江戸時代に入り一国一城令が発令されたが
肥後国は特別に熊本城の他に麦島城も残され一国二城制が認められた。
後に麦島城が地震で崩壊したため1622年現在の地に八代城が築かれる。
それ以降八代は安定した時期が明治維新まで続いたことにより
城の周囲には町家が集中し、多くの商人がいて経済的に豊かであったようである。
八代妙見祭出し物の笠鉾九基もこの頃、町衆によって制作された。

明治中期から昭和初期にかけ次ぐ次と四大工場が進出し、九州でも屈指の
工業都市として繁栄し、工業出荷額は北九州に次ぐ勢いだった。

昭和30年代から40年代にかけて、八代は特産のイ草生産が盛んで農家所得が高く、
企業城下町下、多くの商店が軒を連ねる商店街が形成されて行き
昭和31年本町に八代大洋デパートが開店した事により
本町商店街は県南一の規模として繁栄した。</h6

【昭和33年(1958)10月頃の八代大洋デパート】

昭和31年(1956)12月1日ここに開店し、天草・芦北・球磨などから多くの買い物客が訪れ、本町は県南一の商店街として栄えた。通りにまだアーケードは無く、この通りにバスも通っていた。
手前の洋館風二階建ては旧安田銀行 白い横壁は元の八代郵便局

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八代市市街地上空(昭和33年10月ごろ)

【昭和33年(1958)10月の八代市市街地上空の写真】

A:八代大洋デパート・・昭和31年(1956)12月1日ここに開店(昭和56年頃解体→さら地→平成27年から分譲マンション)
B:安田銀行(現在飲食店)
C:本町商店街(昭和48年からアーケード街)
D:元八代郵便局(昭和48年Gに移転→さら地→昭和54年立体駐車場完成→平成30年1月からさら地)
E:元八代警察署・裏に拘置所があった(現在空き地)
F:元肥後銀行八代支店(現在駐車場)
G:元裁判所か法務局(昭和48年から八代郵便局)
H:元八代市役所(現在マックスバリュ)
I:昔も今も春日神社
J:旧日本電信電話公社(現在NTT西日本八代)
K:元西日本銀行(現在西日本シティー銀行)
L:元八代白百合学園高校(現在熊本総合病院)
M:この空き地は元八代高校(写真には写っていない)のグラウンドで昭和47年、八代市役所新庁舎が建設される(現在閉庁中)
N:元八代総合病院(現在は熊本総合病院駐車場)
O:八代城址お堀の一部
※MとNの間の二棟の長い建物は当時定時制の学校であった
※AとGを結ぶ中間の三角屋根三棟は拘置所だったようだ
※左下に八代宮表参道の鳥井が見える
※右下の黒地に白〇部分は航空機の翼です。

PDFファイル(拡大写真)はこちらから

https://drive.google.com/file/d/1As_exUkd7MqLvtg53hcrA3xg4bSLGuuS/view?usp=sharing

※当時の熊日新聞より

四大工業と豊かな農村の購買力に着目した大洋デパートが
八代店をオープンさせたのが昭和31年12月1日。
その3年後の八代市中心部のたたずまい。
デパートの進出に刺激された本町通りの商店では
店舗改装が相次ぎ、買い物客でにぎわった。
当時の市の都市計画では「昭和50年、人口30万の工業都市」として
描かれていた。

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【昭和55年頃の八代大洋】

通りは既に昭和48年に完成したアーケードになっている。八代大洋はアーケード完成以前、四倍の大きさで増床する計画があった。
しかし奇しくも本町アーケード完成の年、熊本大洋本店が火災になり八代大洋もデパートとしての機能を失い、この頃は地下含めて8階ある売り場の内1階と2階だけで営業していたようだ。後に解体されている。
手前にあった安田銀行は撤退し、アーケード完成後解体され、別の建物が出来た。

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【昭和47年夏の土曜夜市】

その頃有名だった佐賀市の夜市を視察に行き本町でも始めたばかりです。
通りを埋め尽くさんばかりの人で提灯の灯りがその雰囲気を盛り上げています。
今では懐かしい赤いポストが有る所は元の八代郵便局で翌年この通りにアーケードが出来たころ現在のマックスバリュ近くに移転(同年)
その後解体されしばらく空き地として残る。

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【昭和47年夏の土曜夜市】

佐賀市の夜市でも行われていた氷の芸術、市内や熊本市からも駆けつけてくれたコックさんたちが現場で制作実演した氷の芸術八代バージョンです。
土曜市はこの数年前から行っており、当時の青年部が毎回近くの製氷会社からトラックで運んで準備したものです。

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【昭和47年夏の土曜夜市】

当時もイベントの定番はやっぱりのど自慢大会 今だとカラオケ大会ですね 当時はカラオケ機が無かったのでオルガン伴奏 それも多用な曲目に備えて伴奏者も二人  酒樽は景品では無かったけど何故かここに

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【昭和47年夏の土曜夜市】

アーケードが無く、吊り下げられた提灯と三角旗が如何にも夜市らしい風景 左側手前の建物が「肥後銀行八代本町店」平成26年八代警察署前に移転したことにより現在は駐車場になっています。
通り手前が三丁目、向こうが一丁目方向

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【昭和48年11月18日アーケード完成直後の本町2丁目付近】

昭和48年11月完成したばかりのアーケード街を通る八代妙見祭の行列(当時は18日が妙見祭でした。)右側に既にあった太洋デパートの吊り下げ看板が有り、イズミヤは現在「陶器の店 泉屋」の前身、この地で1961年(昭和36年創業)

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【昭和48年11月18日アーケード完成直後の本町2丁目付近】

昭和48年11月完成したばかりのアーケード街を通る八代妙見祭の行列(当時は18日が妙見祭でした。)
太洋デパートのアーケード完成記念大売り出しの横断幕が有ります。

この10日後の11月29日、熊本大洋デパートで火災事故が発生するとは、誰も想像しなかっただろう。

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【昭和48年11月18日アーケード完成直後の本町2丁目付近】

昭和48年11月完成したばかりのアーケード街を通る八代妙見祭の行列(当時は18日が妙見祭でした。)

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【昭和48年11月18日アーケード完成直後の本町2丁目付近】

八代妙見祭の行列を待つ人々(当時は18日が妙見祭でした。)
太洋デパートのアーケード完成記念大売り出しの横断幕が有ります。
大洋の向こう側には旧安田銀行の建物が見えます。アーケードが出来たことにより、それぞれのお店は足場を組んで店頭の改装を行っています。

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【2丁目立体駐車場1階にオープンしたテナント】

アーケードが完成した昭和48年、それまで有った八代郵便局が移転し、しばらく空き地となっていた所に、昭和54年2丁目立体駐車場が完成する。これはその1階にテナントとして出店したお店です。3店同時に開店したしたもので右側が「ベスト電器中央店」、中央が「陶器に店 泉屋」、写真には写っていないが左側に「いなづか書店」が有った。

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【球磨川まつりの総踊りをアーケード街で披露する商店街のおかみさんたち】

以前は総踊りを厚生会館横の通りで行っており、アーケード街まで繰り出していた。
記憶ははっきりしないが、もしそうでなければ球磨川祭り総踊りが
今の場所に移って最初のころ、アーケード街でも踊っていたのかも知れない。
向こう側のお店は手前から、岡本文具店、池田宝石店(現存)、山中寝具店、大久保時計店です。

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【昭和60年頃の春 人通りが多かった本町2丁目商店街】

向こう側が本町3丁目

この頃は本屋もあったので若い人も多く学生さんも多かった。平成2年に鶴屋生活彩館が出店することになる立体駐車場1階のテナント部分三店舗、向こうからベスト電器が移転した後に出店した「せきぐち玩具店」、中央が「陶器の店 泉屋」、手前がいなづか書店が閉店した後出店した「ながつ書店」

陶器の店 泉屋は平成元年(昭和64年)よりここに移転して営業しています。 ←文字をクリック

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【昭和60年ごろの春 にぎにぎしく「春の感謝祭」開催中の本町2丁目】

向こう側が本町1丁目

写真右看板のBooKsが当時のながつ書店で、後に鶴屋生活彩館が出店したところ、写真には写ってないが手前に泉屋・せきぐちが有った.。 写真向こう横断看板左側に八代大洋があったが、この頃まで有ったかどうか?定かで無い。

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【時代は平成に入って15年7月】

旧アーケードが築30年経って老朽化したので建て替えのため取り壊し中の本町アーケード街(1丁目付近)

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【取り壊し中の旧アーケード 平成15年8月】

商店街から旧アーケードがほとんど無くなった本町1丁目付近

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【取り壊しが終わり新しいアーケードの組立が始まる 平成15年9月】

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【新しいアーケードの組立中 平成15年9月】

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【アーケードリニューアル 平成15年11月】

当時スリーデーマーチはこの時期開催されていた。

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【アーケードリニューアルオープニングセレモニー 平成15年11月8日】

720メートルのアーケードいっぱいに並んでテープカット

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【日本一のテープカット達成! 平成15年11月8日】

1200名が参加して行われた日本一長いテープカット ギネスに認定される

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【華々しくリニューアルオープンしてから15年経った2丁目立体駐車場跡地】

旧アーケード時代の昭和54年ここに立体駐車場が完成、平成2年鶴屋生活彩館がテナントとして出店したが平成28年4月の熊本地震により建物が使用できなくなったので止む無く鶴屋も撤退し駐車場は29年12月より解体された。

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【2丁目立体駐車場跡地 鶴屋生活彩館はここに有った】

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【パチンコ店跡地】

旧アーケード時代に出店したパチンコ店が後に撤退した後の空き地で、立体駐車場空き地と隣接する。

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【写真年月日時のアーケード街】

赤枠部分のところに鶴屋生活彩館があった。

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【2丁目立体駐車場跡地】

二階建てビルの向こう側がパチンコ店跡地 80メートル近く空き地が続くと言うことは15・6店舗の店が無いことです。

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【パチンコ店跡地】

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【右側は元大洋デパートが有った】

アーケード街に唯一有ったタクシー乗り場も平成30年2月閉鎖した(中央のシャッター)

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【元八代大洋デパートが有った場所】

昭和31年この場所に大洋デパート開店し昭和56年ごろ解体された後長く空き地となっていたが平成27年マンションが建設される

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【写真年月日時の本町アーケード街】

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■今後の本町アーケード街■

八代港には平成27年ごろからクルーズ船が寄港するようになり、主に中国からの観光客で、バスに分乗して県内各地に出かけていくが八代の本町商店街でも外国人を多く見かけるようになった。寄港回数が多かった月などは一か月間の通行量が地元の人より多いようにも思える。

ノルウエー・ジャン・ジョイ号

【八代港に寄港した「ノルウエー・ジャン・ジョイ号」 平成30年3月13日】

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クルーズ船観光客

【城下町「やつしろ」のお雛祭り開幕時の平成30年2月10日に上海から訪れたクルーズ船観光客】

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■八代港 クルーズ船拠点へ■

熊本県は平成30年2月、八代港の国際クルーズ拠点化に向けて米国の大手船会社と協定を結んだ。これにより船会社は旅客ターミナルを平成31年度中までに建設し、岸壁を平成32年度から年150日利用出来るようになった。
それを受け、八代市はクルーズ船の観光客を商店街に呼び込むため、商店街に続く市道を「くまモンロード」とし、くまモンのモニュメントや案内板を設置、また、くまモンが立ち寄る「くまナンステーション」を商店街の空き店舗に整備する。
・「くまモンロード」は平成30年7月に「くまナンステーション」は5月連休までにオープン予定。

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